Q 錦の周辺は絵描きが多く、お店の中にアトリエを持つ方もいると聞いていますが…。
A 木村鮮魚屋の分家さん木村斯光(本名木村健吉)さんは、錦柳馬場西入ル南側に住んでいた画家です。木村六右エ門の三男として生まれ、現在の京都芸術大学を卒業後、菊池契月に師事しました。
日展に多くの作品を出品し「時代祭」を描き京都100選にも選ばれました。後に船岡に引越し、自宅に女優さん達を招いて美人画をたくさん描いておられます。
2015年、錦市場は生誕400年です。この年は本阿弥光悦鷹峰拝領の年でもあり、すでに京都市は琳派イヤー400年の準備室をスタートしています。翌2016年は尾形光琳没後300年、伊藤若冲生誕300年です。江戸時代のアートに脚光が集まりますから、若冲も引き続き注目を集めることでしょう。
Q 今から20年前、アーケードが新しくなって以降、現在までの錦市場の変化はすごいですね。文化度を残しながら継続してほしい。
A 錦市場の顔の一つである卸業の衰退は、食生活の多様化による米・和食離れ、また少子化などの影響を受けています。これに抗うために食文化を伝えるイートインを作るなどの工夫をしています。錦市場は変わりゆく時代の中で、若冲の時代と同様、現在も多くの課題を抱えながら様々に模索し商いをしております。