飄々(ひょうひょう)と、馥郁(ふくいく)に
輪郭のみで表した白い瓢箪と、墨の濃淡の面で描く牡丹など、墨と画箋紙の特性を活かして自在に操ったこの作品は、若冲の水墨画作品のなかでも特に傑出しています。
「瓢箪図」の賛は天龍寺の桂州道倫、「牡丹図」は嵯峨直指庵住持、無染淨善(丹崖)によるもので、禅宗の文脈なかで、瓢箪を怪物に見立てたり、牡丹と蝶に先哲の教えを読み込んだりしています。