雪中雄鶏図

Rooster in the Snow
雪中雄鶏図

雪中雄鶏図

雪を厭わず真を求む

降り積もる雪の中、餌を探して佇む雄鶏。本図はまだ家業を勤め、字の「景和」を署名としていた三十代前半頃の作品で、現在知られる若冲画の中では最初期のもの。

雪中における鶏の確かな存在感は、真っ赤な鶏冠や漆黒の尾羽といった色のコントラストだけではなく、この画家の傑出した写実力にある。また鶏は中国で徳のある鳥とされ、孤高な雄鶏の姿に若冲は己を重ねているという解釈もある。

鶏の緻密な描写や奇怪な形の雪竹などに、後年発揮される彼の作風の萌芽をすでに見出すことができる。

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